2010年5月20日木曜日

不況でも大企業はV字回復 労働者と下請に犠牲転嫁のリストラで

2008年秋のリーマンショック以降、不況が深刻で、労働者の「所定内給与」が20か月連続で減少している。
輸出依存で国内需要が小さい日本経済の弱さのしわ寄せを押し付けられている。

一方でトヨタ自動車は1年前の約4600億円の営業赤字から1年間で1475億円の営業黒字になった。9900億円のコスト削減が人件費と部品の調達費切り下げで行われたという。
日産は1年前の1380億円の赤字から1年間で3000億円の黒字に転換したという。
ためこんだ内部留保の大きな部分を占める利益剰余金はトヨタで11兆5686億円、1年間で約370億円積み増ししたという。
同じく日産では2兆4565億円で1年間に積み増ししたのは400億円以上という。

つまり、部品を納めさせる中小企業に仕入れ単価の切り下げをすすめ、労働者への人件費の支払いを非正規雇用(派遣・期間工など)の雇止め

庶民減税はことごとく、廃止、縮小。扶養控除の廃止などで増税が予定されているというのに、大企業・大資産家への減税は続けられている。

国民所得に比べた負担の割合として製造業で比較した資料で(政府税制調査会への財務省提出)で、ヨーロッパより低い大企業の「税・社会保険料」負担として日本は30.4%、フランス41.6%、ドイツ36.9%となっている。

また、以前に株価対策などといって、株主への減税が売買の収益をふくめ手厚く行われたが、株の配当への課税率は、日本は20%であったものを10%に減らしたまま。アメリカでは25%から30%へ、イギリスでは32.5%から42.5%へ世界では資産家への増税が流れとなっている。

政府の財政危機が叫ばれるが、マスコミや共産党をのぞく各党がこうした視点を欠いているのはスポンサーや政治献金の影響といわれても間違いといえないだろう。

ひどすぎる経済格差の縮小、働いても貧困という現状を抜本的に改善する道はある。
消費税の増税などをもちだすのは、これに逆行する金持ち、大企業優遇路線の最たるもの。
参院選は、こうした問題も最重要争点。
マスコミがこうした問題に正面から向き合わないのも問題だが、それへの批判とともに、独自の宣伝もさらに強めなければ。

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